ご無沙汰してます大将です。
さてさて先週は北京へ出張して中国の某ITベンチャー企業と提携についての交渉してきました。
まだ正式に契約には至ってませんが、全項目で両者が納得すれば提携することになるでしょう。どんな企業との提携になるかはどうぞお楽しみに☆
さてさて、海外企業との交渉は結構得意であると自負するオレ。今回の交渉も非常にエキサイティングなものになったので、その交渉の模様を公開したいと思います。4時間以上にも渡る利益配分交渉の実際の様子です。
今回の交渉相手は米国マイクロソフトバリバリ活躍していた中国エリートの皆様方。そしてみんな清華大学出身。相手にとって不足無し。これは燃えますよね щ(゚Д゚щ)オラー
【事前準備】
●事前にメールで「絶対条件」を聞いておく。
ノリだけで出張しそうな僕ですが、事前にメールで聞けるところは全部聞いておきます。 「御社が我が社と提携しないと決定する条件があれば事前に教えてください」とあらかじめ聞いておきます。これはメールでも交渉時でもそうですが、しょっちゅう僕は口にします。
目的としましては「スピーディーに話を進めたい」、「無駄をなくしたい」というのもあるのですが、一番肝心なのは「ナメられないようにする」のが目的です。変な条件が出てきたらいつでも話し合いを終了しますよというスタンスを見せるのは重要です。
【交渉面談時】
●最初に条件を言う。アンカーをかます。
先日は相手方のオフィスで交渉が行われました。言わば相手の土俵です。ペースはおのずと相手ペースになりがちですが、ここは最初にイニシアチブを取りましょう。最初に「オレらが欲しい利益はこんだけね☆」と言ってしまいましょう。僕の場合は今回「8:2ね☆」と最初に言いました。もちろん我々が8割です。屈託の無い顔で言うのが重要です。さも当たり前のように。
アンカーとは最初に数値を宣言することによってなかなかその数値から外れて話し合いがしづらいという経済心理学(?)の用語です。
●勝手に休憩を入れる
当然のごとく「8:2」は通用しませんでした(笑)。先方も速攻でアンカーを「2:8の間違いじゃない?(・∀・)」と笑顔でひっくり返す。アンカーをかわすにはこれしかありません。笑顔でパンチを打ちあってる印象。そして先方からジョーク抜きの提案が。
「まぁ、ここはフラットに5:5だよね」
ふむふむなるほど。
しかし様々な事前情報を聞く限り、5:5はあまり儲からない。儲かるんだろうけどなんか地味だし、フラットな気もしない。しかし「フラット」という言葉は非常に正当性が高く、これをひっくり返す材料がなかなか無かった。
一緒に行ったみんなの雰囲気も「5:5しかないかな」という感じになっていた。相手もここが押しどころとばかりに「いいよね?!いいよね?!」と迫って来る。そこでオレは
「よし!タバコ休憩だ!(・∀・)」
一気に場を冷ますことにした。流れが悪い時は遠慮なく休憩を取ろう。先方も笑って「OK」と言ってくれる。「NO」でも勝手に休憩したらいい。普通NOは無いだろう。こういう時にタバコというのは非常に使える。禁断症状という大義名分でいつでも空気をぶった切ることができるのだ。
●土俵を変える。
「5:5」という一見平等な条件をタバコ休憩中に考える。しかしこの利益から分配される「5:5」という条件の中で、これを「6:4」やら「7:4」とやり取りしても意味が無いと思った。そんな交渉しちゃうとまるでうちが悪者みたいだ。フラットだっつってんだから。
そこでもう一度タバコを吸いながら「我々がほしい利益」を再検討。その結果、利益の中から分配する方式ではなく、
「総売上のうち●%欲しいんだ!щ(゚Д゚щ)クレー!」
という内容に変更する。利益分配比率の土俵では戦わず、うちの提案する総売上ベースに話し合うように土俵を変えることにした。
●通訳に徹してくれ
そのタバコ休憩中に話したもう一つのこと。それが「君が悩まず通訳してくれ」ということ。ウェブシャークで働く蟷螂拳で有名な中国人張くんを通訳要員として連れて行っており、この出張でも大いに活躍してくれていた。
頭が良くウェブシャークのサービス内容を知りつくしている彼なので、オレが発言した内容からさらに発展させて通訳してくれる。彼にわかることは彼が回答するという状態になっていた。
しかしこの交渉ではそんなわかりすぎていることがアダになりつつあった。俺が日本語で「そんな条件ダメだ!」と発言した際、張君が頭で考えて「社長・・・これは5:5以外に無理ですよ・・・」と相手に通訳する前にオレに言ってきた。これでは交渉のリズムが保てない。
発言の内容も重要だが、実は交渉のリズムもかなり重要でオレはタイミングを見計らって話をしている。しかしそれがリズミカルに通訳されないとなると問題である。そこでオレは彼に頼んだ。
「張くん。オレが発した言葉を君は何も考えずただ素早く通訳してくれ。相手の気持ちなんかも一切考える必要はない。ただロボットのように通訳してくれ。」
先方は中国有名IT企業である。中国人である張くんはそれを知っているので、つい遠慮がちになってしまうのは仕方が無い。しかしそんな事は関係ない。ただ純粋に通訳してもらうよう頼んだ。
ここからがリズミカルな交渉の始まりである。
●そちらが考えてくれ!!
タバコ休憩を終えたオレは意気揚々。
会議室につくなり素早くホワイトボードに
「最低条件:総売上の●%」
と書いた。最初に書いてしまうのはとても重要である。話がそこからスタートできるからだ。休憩終了と同時に土俵変更宣言。もうここから話し合うしかない。
先方は「それは多すぎる!我々の利益が●%しか残らないじゃないか!」と言ってきた。うむうむ確かに。先方の利益率が本当ならばカワイソウなほど残らない。
「しかしそんなことは関係ない!
何故ならこれは最低条件だからだ!
ここからどうやって利益を出すかは
そちらで考えてくれ!
щ(゚Д゚щ) 俺は知らん!」
このまんまで言ってみた(笑)
実際にオレはこれ以下の利率で商売するつもりは無かった。
この条件を先方が飲まなかった場合、即刻その場で席を立ち北京オリンピック会場の見学に行こうと本気で考えていた。
その本気度合いを感じてか、この条件を元に細かい条件を決定し、この利益分配の交渉は無事終了することができた。
勝った負けたではなく、両者が納得できる円満な条件で決めることができた。
まだまだ交渉しなくてはいけない項目がいくつかあるが、この部分が一番の山場であったことは間違いない。これを最後に回してしまうと土壇場で、「今までの交渉は何だったんだ?」となる可能性があるからだ。重要な話は最初にしておいたほうがいいのである。
【外国人との交渉スタンス】
●遠慮しないくらいで丁度いい。
外国人は基本的に言いたいことを言ってくる、ある意味で正直な人たちだ。日本では失礼に当たることをガンガン言うくらいでやっと国際レベル。失礼であるかどうかなどは気にせず、言いたいことを言いたいように言う事をお勧めする。
ここらへんのテクニックはオレの大阪人気質がかなり生きていると思われる。値段交渉の文化が根付いている土地柄なので、こういう交渉には慣れているのだ。大阪人は東京の前に海外に出ればいいんじゃないかな?(・∀・)
●相手の顔色を見てはいけない。
日本人同士の交渉では、交渉中に相手が顔を歪めたりすればそこが限界ラインである等がわかりやすいが、外国人の場合はその顔色ですら操作してくる。だから相手が怒ったり、顔を歪めたりなどのジェスチャーをしても一切信じなくていい。先方を怒らせるぐらいで丁度良いのだ。
ぶっちゃけ相手の顔も見なくて良い。オレも今回の交渉では途中からあえて相手の顔を見ないようにした。しかし見るときは絶対に目を離さず食い入るように真剣に見る。そうすると相手は逆に懐柔モードに入ってくれるのでバランスが取りやり易くなったりするのだ。
●笑いやジョークは重要
会議室の空気を変えるようなジョークは重要である。今回の交渉では、この後に彼らと宴会することが決まっていた。だから暇さえあれば「さっさと決めて早くパーティーやろうぜ!」と言う軽いジョークは飛び交う。オレも「おいおいw そんな利益だとamazonアソシエイトでもやってるよwww」というようなことをよく発言していた。
彼らと一緒にタバコ休憩しているときも「休憩後の交渉はもっと優しくしてね♪トニー☆」というようなやり取りをしていた。タバコ休憩もそうだが、空気を変える材料をいくつか持っておくのはとても重要なのである。
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こんな感じで初めての北京で第一回交渉を終えました。いやー楽しかった!やっぱり商売はこうじゃなくちゃね!(・∀・)
まだいくつか重い話があるので近いうちにまた北京に行くことになりそうです。それにしても北京は想像よりも全然綺麗でした。日本の報道は北京の悪い部分ばかりを取り上げている印象です。
いやぁ~ いいねー北京。
女の子もカワイかった(・∀・)
この楽しみが無いとわざわざ海外いかないよねぇ~ ねぇ~? ねぇ~♪(・∀・)
(嫁に殺されそうですが)
左から、オレ・田村・まさお(主役)・張くん
場所:紫禁城